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個別記事の管理2015-11-05 (Thu)

カテゴリー違いも甚だしくて恐縮なのですが…


シドニーでディジュリドゥを買ってきました。

ディジュリドゥってのは、先住民のアボリジニに千年も伝わるという最古の木管楽器で、白アリが中を食べつくしたユーカリの木を切って形を整え、化粧を施しただけの、ただの木の筒です。

実はワタクシ、オーストラリアに住んでいたことがあり、その頃から興味はあったのですが、店で試した時に音を出せる気が全くしなくて、それっきり忘れていました。今回たまたまシドニーに行く機会があったのでディジュリドゥの事を思い出し、装飾にもなるし買って帰ろうと思ったのです。

オペラハウスの近くにAboriginal Art Garellyという店がありました。
ふらっと入るとディジュリドゥが沢山置いてあるので見ていると店主が話しかけて来ました。

「店のオーナーがディジュプレーヤーだから、うちに置いてあるのは土産物屋と違い、楽器として使えるものばかりだよ。だからちょっと高いんだ。」
「あっそう。初めてだからあまり高いなヤツは買わないけど、お勧めはどれ?」
「ボクはこれが気に入ってるよ。」

店主が手に取ったのは1メートル位長さのナチュラルな色のヤツで、一見ただのバットというか棍棒です。
もっと綺麗な絵の描いてあるヤツを思い浮かべていましたが、楽器としてお勧めだというので店主に吹いてもらうと、こんなに短いながらも立派なディジュの音がでます。因みに別の似たような外見のヤツも吹いてもらいましたが、お勧めだというヤツの方が音の立ち上がりとか、クリアさが勝っているような気がしました。

「でもオレ、以前試してみた時に音を出すこともできなかったんだよね…」
「キミ他に楽器弾ける?」
「ギターとバイオリンを少々…」
「キミはその楽器を初めて手にした時、すぐに弾けたかい?」
「!」

ボクはどういう訳か、ディジュリドゥが楽器であり、演奏するためには練習が必要なことを忘れていました。ディジュリドゥはアボリジナル・アート専門店だけではなく、土産物屋にも沢山あるので、オモチャや民芸品のような感覚でいたのだと思います。

音を出すのにも練習が必要な楽器は考えてみれば沢山ありますよね。
ボクは、練習してみる気になり、地味なそのディジュリドゥを楽器として購入することにしました。値段は145ドルでした。

「あっちにあるヤツは何?」

店の一部に数本のディジュがあり、他のモノとはちょっと趣が違っていたので聞いてみました。

「あれはイダキだ。」

イダキ…

ディジュリドゥというのは白人が付けた名称で、アボリジニは(部族によって違うらしいけど)イダキという名で呼んでいるという知識はあったので、それらが現代風にアレンジされていない伝統的な楽器だという風に判断しました。他のディジュリドゥとは別に置かれているし、ボクが手を出すべきものではない、と思いました。

「何か聞きたいことが有ったらメールでも何でもいいから連絡くれ。」

そういって店主が差し出した名刺をもらい、プチプチで分厚く梱包されたディジュを持って外に出、食事や観光をしながらホテルに帰りました。

旅行を終えて自宅に帰り、練習方法を調べようとネットを開くと、日本でも結構ポピュラーになっているようで、役に立ちそうな情報は沢山アップされています。

唇を震わせて音を出す…

まず、吹き口に口をつけ、吹いてみましたがなかなかいい音が出ません。

ずらしたり押し付けたり唇の形を変えて見たり、いろいろ調整していると、ようやくディジュらしい音が出始めました。

「なんだ、結構簡単ジャン...」

でも息が続きません。

オーストラリアの路上で見たり、ネットで見るディジュ奏者は延々と途切れなく吹いています。

「どうすればいいんだ?」

ネットで調べるとディジュの演奏には「循環呼吸」という技が必要なようです。息を吸う間も口から息を出すということです。

練習方法として、コップに水を入れてストローで息を吹き込むというものがありました。やってみると簡単です。鼻から息を吸う間、口の中に貯めた空気を頬や舌や喉の圧力だけで出せばいいんです。

でもディジュでこれをやるのは至難です。

貯めた空気だけでは圧力が小さいし、唇を震わせ続けることが難しいのです。

その日からボクはディジュリドゥの練習、就中、循環呼吸の習得に励むことになりました。


こうやって何かに熱中するのは久しぶりなのですが、心の傷から逃避するのに良いかも知れない…



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Theme : オーストラリア * Genre : 海外情報 * Category : ディジュリドゥ
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

とむやむ君さん * by ヒー
こんにちは

この店の店主は決して人当たりがいい感じじゃなかったですけど、真摯な客には真摯に応えているように感じました。
いわゆる専門店によくいる感じっていうのかな...

私も広い意味でサービス業です。将来、サービスのいいバーをカンボジアで開きたいと思っています。

ディジュ、すごく面白いです。

もちろん吹きたい気持ちになれないって時もありますけどね...

すごく好きな娘と一緒にいるのにヤリたくないって時があるのと同じですかね...

* by とむやむ君
おはようございます。

私は接客業ではないのですが・・・しいて言えばサービス業かな。

以前は営業に関わっていたので顧客と接する機会は多かったのですが、いわゆるエンドユーザーに接することは今はほぼありません。

私が目からウロコだったのは、この店主が「売ったら売りっぱなし」っていう事をしてないように思えたからです。

何か見当違いなところに反応してしまいました。

ディジュの練習がんばってくださいね。

とむやむ君さん * by ヒー
こんばんは、

とむやむ君さんって接客業なんですか?
だから姫との接し方が上手なんですね...

ディジュ、循環呼吸は出来るようになりましたけど、音がフラフラ...人に披露できるのはいつになることやら...まあ、ディジュに夢中なおかげで心の傷は大分癒えた気がします...

* by とむやむ君
こんばんは。

うーん、いい店・・・というか店主に会えたんですね。

買うときのやりとりもそうだけど、一見の外国人客相手に「何か聞きたいことがあったら連絡くれ」って、何となく最近の自分の仕事に対する姿勢とだぶらせて目からウロコでした。

心の傷を癒すのって相当の時間が必要ですよね。
がんばって練習してください。

いつかヒーさんのディジュリドゥ、聴かせてくださいね。(^^;

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